
年代別の財産保有率に関しては年齢層が高くなるほど財産も多く保有している傾向にあることはよく知られています。
高齢者ほどお金持ちだということですね。
逆に若者は年を追うごとに貧困問題が深刻化していますから、このギャップを埋めることは現代の日本において急務だと言えるでしょう。
ではなぜ高齢者ほどお金を持っていて若者が貧困にあえいでいるのでしょうか。
もちろん単純に社会人として生きた年数が違うのですから、稼いだ額に差が出るのは当然です。
根本的にお年寄りほど金銭的な余裕があるのは普通の事ではあるのですが、日本においてはいくつか高齢者優遇と言える問題が存在しています。
ひとつは年金に関してです。
現在社会保険から天引きされている厚生年金であったり、国民年金として納付している年金は多くの方にとって少なくない負担だと思います。
生活苦の方であれば国民年金の猶予や免除を活用している方もいるでしょう。
それくらい年金の納付は生活の中で厳しい物なのが現状です。
しかし、現在のお年寄りにとってかつての年金納付はそれほど生活を苦しめる物ではありませんでした。
時代にもよりますが、月の支払いは1000円なんて時期もあったほどですから当時の人々にとって些細な出来事だったことでしょう。
現代の若者とお年寄りが支払う年金の総額は大きく差があります。
なのにもらえる額は年々減っていく、つまり若者にとって大変不公平な制度なのが年金なのですね。
少ない支払いで多くの年金を受給できる。
お年寄りがお金を持っているのはこうした年金問題が背景にありそうです。
もうひとつ高齢者ほどお金持ちが多い理由として、現代は昔ほど景気が良くないことも関係しています。
シンプルに言えば不景気だから稼げないということですね。
もちろん現代にも高給取りな仕事は存在しますし、実際稼いでいる若者もいるでしょう。
しかしその稼げる仕事の椅子は昔より限られていて、その少ない椅子を優秀な人材で奪い合っています。
稼ぐことが出来る人はとことん稼ぐ、逆に一度レールから外れると稼げる道が閉ざされる。
それが現代の日本で起きている格差社会と呼ばれるものですね。
では今の高齢者がかつて若かった時代はどうかというと、大手への就職という意味では現代よりはるかに容易だったことは間違いありません。
もちろんそれなりの優秀さは求められはしましたが、競争率で言えば今の時代のほうが大変厳しいです。
大手だけでなく中堅の企業に関しても同じことが言えます。
今は正社員としてそれなりの待遇を求めるならば、新卒のカードを利用するか重宝されるスキルを身に着けるなどして替えの利かない人物になる必要があります。
しかし、景気が良く就職が比較的容易で待遇も十分。
こんな時代に青年時代を生きた現代のお年寄りは、多くの人が恵まれた給与を受け取っていたんです。
まして現代のように多種多様な娯楽があったわけではありませんから、お金の使い道も限られてきます。
普通に生活していれば財産が増えていく。
そんな時代を生きてきたのが今のお年寄りたちなんですね。
今の日本においては贈与税の見直しなど富の再分配にも力を入れており、今後は年代ごとの貯蓄率も徐々に均一化されていくことが予想されます。
少しいびつではあるこの貧富の差が早く解消されることに期待です。
ただし、現代の若者にお金を稼ぐ手段がないのかというと決してそうではありません。
ITの発達している現代はかつて存在しなかった仕事も多くあります。
今の若者たちがなかなか厳しい現実にあるのは間違いありませんが、日々アンテナを立てて置きお金を稼げないか目を光らせておきましょう。
そうすれば自分が高齢者になったときお金持ちになれるはずですよ。